会長より皆様へのご挨拶

このたび、東京ストーマリハビリテーション研究会会長を拝命いたしました衛藤 謙でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

1989年に講習会、1994年に研究会が設立されており、歴史のあるこの会の会長の重責をひしひしと感じております。

私自身がこの会に参加し始めたのは、野澤先生が会長になった2018年の夏頃からでした。東京女子医科大学病院で開催された第29回東京ストーマリハビリテーション講習会に初めて参加し、この会に参加する講師陣・受講生の熱さを感じ、大変驚いたのを記憶しております。「ストーマリハビリテーションについて理解を深めてほしい」、「ストーマ保有者を助けたい」、という強い想いがあふれており、一講習会としての枠を超えた会だと感じていました。また、医師・看護師が強い一体感をもって、運営されている会だということにも感動いたしました。

 

私が参加した時はすでに変革期を迎えておりTKPに事務局を委託し、運営の負担を減らしていこうという流れにありました。第30回東京ストーマリハビリテーション講習会はTKPの会場を使用して開催され、今後同一会場で講習会を開催することにより、運営の簡素化が図られていました。また日程も3日間から2日間に短縮し、講師陣、受講者の負担軽減も試みていました。しかし、残念ながらTKPの突然の事務局業務の撤退、さらには新型コロナウィルスの出現、講習会・研究会の延期など、東京ストーマリハビリテーション研究会にとっては多くの逆風が吹いた時期でした、この中で会長をされていた野澤先生のご心労は想像を超えるものだったと推察いたします。本当にご苦労さまでした。

 

コロナによって講習会の形も変わってきました。第32回講習会では、Web上でのオンデマンド講義、Zoomを利用した双方向式の演習が行われました。直接、受講者に会えないことによる「熱を伝える」という部分ではマイナスですが、日程という障害も自然に解決されました。また講義をオンライン化することにより会場確保の問題も改善されました。今まで起こった過程を負にとらえず、うまくいく方向に近づいたのだと考えるようにしています。そしてさらに改良して、より良い講習会にしていくつもりです。

 

これからは、本研究会を作り上げてきた先輩方の熱い想いを引き継ぎながらも、みなさんの負担を減らしながら運営できる方法を模索していきたいと思います。そして何よりも、参加して楽しいと思える会にしていきたいと思います。

「熱い想いは変えず、サステナブルで楽しいTSRを次世代へ」を実現できるようにがんばってまいります。

浅学菲才ではありますが、どうかみなさまご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

2023年1月

東京慈恵会医科大学外科学講座

衛藤 謙